苦情の「件数」より「数え方」が問われた警告書
自社の苦情を、件数で判断していますか。それとも発生率で判断していますか。そして、どのような場合に健康被害の評価を行うのか、その判断基準は手順書に書いてありますか。2026年10月20日にFDAが公開したオリンパスの警告書には、発生率を理由に健康危害の評価を止めた判断が、指摘として書かれていました。第10号(10月20日)で、公開を待つしかないとお伝えした件についての続きを見ていきます。本題に入る前に締切の確認です。2026年10月20日から26日までに新しく公示された医療機器の意見募集は、編集部が確認した範囲ではゼロです。次の締切はガラス製体温計のJIS改正案で、2026年11月28日です。
今週の一件
苦情の「件数」より「数え方」が問われた警告書
オリンパスの警告書の本文が公開。処置のなかったCAPAと、止められた評価を、つくる側から読む
図1 警告書に書かれた「Thunderbeat 5mm(青森)」の経過
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苦情 1,900件超(2021年9月〜2024年9月)
うち米国の不具合報告(MDR)の対象 1,583件
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CAPA起票(2023年10月18日)
FDAの記載では、処置はとられなかった(CAPA-201438)
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健康危害評価を中止(2024年1月31日)
苦情の発生率から「不要」と判断。起こりうる危害は考慮されず
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回収を開始(2024年11月25日)
CAPA起票から1年あまり後(RES 95950/21 CFR 820.100(a)(1))
自社チェック
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知る ── 一言つき
- 海外規制
英国、CEマーク品を期限なしで受け入れへ
英国政府(GOV.UK)
意見募集(回答1,056件)を経て方針を表明。英国責任者・MHRA登録・市販後監視は引き続き必要。
原文一言
UKCAの取り直し予算は見直し時。英国責任者と登録の費用は残ります。
- 海外規制
前の患者IDが残る血糖測定器、最重度に
FDA Medical Device Recalls
Nova StatStrip(Gen 2.0)。読取後に前の情報が画面に残り、結果が別の患者に記録されるおそれ。
原文一言
測定が正しくても、紐づけ先を誤れば最重度。使用エラーの評価は確認画面まで。
- 海外規制
510(k)免除を当てはめた装置に警告書
FDA Warning Letter(CBER、10月6日付)
Tides Medicalの3Dバイオプリンタ。創傷治療の表示から、510(k)免除の範囲を超えると判断。
原文一言
分類はWebサイトの効能表示からも判定されます。営業資料と分類根拠の照合を。
- 海外規制
処方薬に付随するソフトの指針が最終版に
Federal Register 91 FR 66561
処方薬に関わるソフトの出力を処方薬の表示として扱う。医療機器かどうかを問わない。
原文一言
製薬企業と組むアプリ開発なら、出力画面の文言も表示の審査対象になり得ます。
- 国内規制
不具合症例報告、2026年6月分まで公開
PMDA
国内の不具合・感染症の症例をラインリストで公開。2004年4月〜2026年6月受理分。
原文一言
自社の苦情の傾向を見るときは、同じ一般的名称の他社報告を比較の物差しに。
今週の数字
63機種
FDAの輸入警告の対象になった、日本で製造されたオリンパス製品の機種数
2025年6月24日の58機種に、2026年10月20日付でカプセル内視鏡セットや気管支用の内視鏡など5機種が加わりました。FDAは、問題なく使えている機器は使い続けてよいとしています。同社は10月21日、通期の業績予想を変えないと開示しています。
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