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【専門家監修】体外診断用医薬品とは|IVDのQMSと医療機器との違い

体外診断用医薬品とは|IVDのQMSと医療機器との違い

目次

この記事の監修者

中野 裕士

医療機器メーカー代表/QMSmart開発者

中野 裕士

体外診断用医薬品(IVD)は、薬機法上は「医薬品」の一種として定義されています。ところが製造管理・品質管理の基準として適用されるのは、医薬品のGQP省令ではなく、医療機器と同じQMS省令です。この一見ねじれた構造には条文上の理由があり、業許可の種類・責任者の資格・申請ルートまで含めて、医療機器とは別の設計が必要になります。この記事では、体外診断用医薬品の定義と該当性の判断から、なぜQMS省令が適用されるのかという条文構造、承認・認証・届出の区分、薬剤師要件、そして医療機器QMSからの差分までを、条番号をたどれる形で整理します。

【結論】体外診断用医薬品は薬機法上「医薬品」、品質管理はQMS省令で行います

体外診断用医薬品の品質管理に適用されるのは、QMS省令(医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令/平成16年厚生労働省令第169号)です。薬機法上の分類は「医薬品」ですが、GQP省令(医薬品、医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品の品質管理の基準に関する省令/平成16年厚生労働省令第136号)は第2条第1項の「品質管理業務」の定義で「医薬品(体外診断用医薬品及び原薬たる医薬品を除く。以下同じ。)」と明文で除外しており、QMS省令は第2条第1項の定義で体外診断用医薬品を取り込んでいます。

つまり、体外診断用医薬品は「分類は医薬品、品質管理は医療機器と同じ省令」という位置づけです。ただし「医療機器とまったく同じ」ではありません。業許可の種類、総括製造販売責任者の資格、製造所に置く管理者は医療機器と別に定められており、ここを医療機器の前提で組むと業許可の段階でつまずきます。

医療機器と体外診断用医薬品の違い(早見表)

項目

医療機器

体外診断用医薬品(IVD)

根拠条文

薬機法上の分類

医療機器

医薬品

医療機器=第2条第4項/IVD=第2条第1項・第14項

クラス分類の定義条文

高度管理・管理・一般医療機器として定義あり

定義条文なし

第2条第5項〜第7項(いずれも医療機器のみが対象)

製造販売業許可の種類

第一種/第二種/第三種医療機器製造販売業許可

体外診断用医薬品製造販売業許可

第23条の2第1項の表

総括製造販売責任者

厚生労働省令で定める基準に該当する者

薬剤師(ただし書きに例外あり)

第23条の2の14第1項

製造所に置く者

医療機器責任技術者

体外診断用医薬品製造管理者(原則薬剤師)

同条第5項/第10項

品質管理の基準

QMS省令

QMS省令(GQP省令は対象外)

QMS省令第2条第1項/GQP省令第2条第1項

製造販売後安全管理

クラスに応じて第一種〜第三種製造販売業者

第二種製造販売業者

GVP省令第2条第8項〜第10項

「医薬品だからGQP」でも「QMS省令だから医療機器と同じ」でもない、という前提で読み進めてください。

この記事の進め方

  1. 定義と該当性を確認する(薬機法第2条第14項)
  2. なぜQMS省令が適用されるのかを条文でたどる
  3. 承認・認証・届出の区分を整理する
  4. 業許可・薬剤師要件などの体制要件を確認する
  5. 医療機器QMSからの差分に絞って構築実務を押さえる

体外診断用医薬品(IVD)とは|薬機法第2条第14項の定義

体外診断用医薬品とは、専ら疾病の診断に使用されることが目的とされている医薬品のうち、人又は動物の身体に直接使用されることのないものをいいます(薬機法第2条第14項)。臨床検査に用いる試薬類がこれに当たり、英語の in vitro diagnostics から「IVD」と略称されます。

条文の位置に注意してください。この定義は「医薬品」の定義(第2条第1項)を前提に置かれており、体外診断用医薬品は医薬品の内数です。

定義の要件は3つに分解できます

条文を要素に分けると、該当性は次の3点で判断されます。1つでも外れれば体外診断用医薬品ではありません。

  1. 医薬品であること — 医薬品の定義(第2条第1項第2号)は「人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物であつて、機械器具等(機械器具、歯科材料、医療用品、衛生用品並びにプログラム(…)及びこれを記録した記録媒体をいう。以下同じ。)でないもの(医薬部外品及び再生医療等製品を除く。)」です
  2. 専ら疾病の診断に使用されることが目的とされていること — 治療や予防を目的とする物は該当しません
  3. 身体に直接使用されることのないものであること — 検体を体外で測定するものであり、体内に投与するものは該当しません

体内に投与して画像診断に用いる薬剤は、診断目的ではあっても3を満たさないため、体外診断用医薬品ではなく一般の医薬品として扱われます。

検体検査に使う分析装置は医療機器、試薬は体外診断用医薬品です

同じ検査室に置かれていても、装置と試薬は別の規制区分になります。医薬品の定義が「機械器具等でないもの」に限られているため(第2条第1項第2号)、機械器具である自動分析装置は体外診断用医薬品には該当しません。診断に用いる機械器具等は、政令で定めるものであれば医療機器に該当します(第2条第4項)。

実務上は、試薬と装置をセットで開発・販売していても、試薬は体外診断用医薬品として、装置は医療機器として、それぞれの区分で許可・申請を組む必要があります。医療機器側の定義と種類については医療機器とは?の解説記事にまとめています。

研究用試薬との境界は「使用目的」で判断されます

研究用試薬(RUO)として販売されているものが体外診断用医薬品に該当するかどうかは、製品の成分ではなく使用目的で判断されます。薬機法第2条第14項が「専ら疾病の診断に使用されることが目的とされている」と定めているため、疾病の診断に使う目的で提供すれば、名称が「研究用」であっても該当し得ます。表示・添付文書・販売時の説明を含めて、使用目的をどう提示しているかが問われます。

判断は表示だけでは決まりません。厚生労働省の通知「研究用と称する検査キット等の体外診断用医薬品の範囲に関するガイドラインについて」(令和8年3月31日 医薬監麻発0331第1号)の別添「研究用と称する検査キット等の体外診断用医薬品の範囲に関するガイドライン」は、一般の消費者向けに販売される研究用抗原定性検査キットを直接の対象としたものですが、その基本的な考え方として、「研究用」等の表示のみで判断するのではなく、製品の容器・包装における記載、広告、販売方法等の標ぼう事項から総合的に判断すべきこと、そして人の検体を用いて感染症等の疾病の罹患に関係する病原体等を検出するとしているものは、標ぼう事項に関わらず基本的に体外診断用医薬品であると判断されるべきことを示しています。同ガイドラインは、この考え方が他の「研究用」等と称する製品の該当性判断にも参考になるとしています。

したがって、「研究用」と表示していること自体は、該当しないことの根拠にはなりません。すでに販売している製品でも、販売先・広告・顧客の使用実態が診断目的に近づいてきた段階では、開発時に一度確定させた該当性をもう一度確認する必要があります。判断が微妙な製品は、その時点でPMDAの相談制度を使って該当性を確定させてください。

ここまでが「体外診断用医薬品とは何か」です。次に、なぜ医療機器と同じQMS省令が適用されるのかを条文でたどります。

なぜ医薬品なのにQMS省令なのか|条文でたどる3層構造

体外診断用医薬品にQMS省令が適用される理由は、QMS省令自身の定義条文にあります。QMS省令第2条第1項は「製造販売業者等」を定義するにあたって「医療機器又は体外診断用医薬品(以下『医療機器等』という。)の製造販売業者…」と書いており、以後の全条文が使う「医療機器等」という語に体外診断用医薬品が含まれています。省令の正式名称そのものが「医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令」であることも、この構造を端的に示しています。

規制の全体像は、①分類は医薬品、②業許可・申請・QMSの条文群は医療機器と共通、③品質管理の基準はQMS省令でGQP省令は適用されない、という3層で整理できます。QMS省令そのものの全体像は医療機器QMSとは?の解説記事で確認できます。

QMS省令は「読み替え」ではなく定義でIVDを含んでいます

よくある誤解は、「体外診断用医薬品には読み替え規定があって、医療機器の条文を読み替えて適用する」というものです。これは誤りです。QMS省令に体外診断用医薬品向けの読み替え規定は置かれておらず、第2条第1項の定義で最初から包含されています。

この違いは実務に影響します。読み替えではないため、QMS省令の条文は原則としてそのまま体外診断用医薬品に適用されます。品質管理監督システムの文書化(第5条第1項)、品質管理監督文書の管理(第8条)、記録の管理(第9条)、是正処置・内部監査といった要求事項は、医療機器メーカーが読むのと同じ条文を読むことになります。各要素の実務は医療機器と共通です。

GQP省令は体外診断用医薬品を明文で除外しています

一方、医薬品側の品質管理基準であるGQP省令は、体外診断用医薬品を対象から外しています。GQP省令第2条第1項は「品質管理業務」を定義する冒頭で「医薬品(体外診断用医薬品及び原薬たる医薬品を除く。以下同じ。)、医薬部外品、化粧品又は再生医療等製品の製造販売をするに当たり必要な製品の品質を確保するために行う…業務」と書いており、括弧書きで明示的に除外しています。この括弧書きの末尾にある「以下同じ。」により、体外診断用医薬品の除外はGQP省令の全体に及びます。

したがって、体外診断用医薬品の製造販売業者がGQP省令に基づく品質保証責任者や市場への出荷の管理の体系を作る必要はありません。求められるのはQMS省令の体系です。「医薬品だからGQP」と考えて体制を組み始めると、最初から作り直しになります。

QMS省令のIVD専用条文は放射性体外診断用医薬品の第5章だけです

QMS省令のなかで体外診断用医薬品だけを対象とする条文は、放射性体外診断用医薬品に関する第5章(第80条・第81条)に限られます。放射性医薬品たる体外診断用医薬品については、第2章及び第3章のほか第5章の規定に基づいて製造管理・品質管理を行わなければならないとされ(第3条第3項)、第80条で登録製造所(設計のみを行う登録製造所を除く)の業務運営基盤の要件が定められ、第81条では前条に定めるもののほか、登録製造所が放射性医薬品の製造及び取扱規則の規定に基づき業務を行っていることの確認が求められます。

逆に言えば、放射性ではない体外診断用医薬品について、QMS省令には専用の緩和も専用の上乗せもありません。第2章と第3章を、医療機器と同じ条文で読むことになります。

上乗せの軸は「放射性かどうか」だけです。原料の由来を気にする方が多い部分なので、条文で確認しておきます。QMS省令第3条第2項は「生物由来医療機器等」に第4章を上乗せしますが、これは①生物由来製品たる医療機器等、②薬機法第43条第2項の厚生労働大臣の指定する医療機器、③細胞組織医療機器(人又は動物の細胞又は組織から構成された医療機器)の総称です。②と③は条文上「医療機器」に限られ、①についても、生物由来製品を指定する告示が別表の柱書で体外診断用医薬品を明文で除外しているため、「生物由来製品たる体外診断用医薬品」は存在しません。人由来・動物由来の原料を使う体外診断用医薬品であっても、原料の由来を理由にQMS省令の章が追加で適用されることはありません。原料の基準を定める生物由来原料基準も、通則で「体外診断用医薬品その他人体に直接使用されることのない製品に使用される原料等」を適用対象から外しています。

体外診断用医薬品の分類と承認・認証・届出|医療機器と何が違うか

体外診断用医薬品には、薬機法上でクラス分類を定義する条文が存在しません。高度管理医療機器・管理医療機器・一般医療機器を定義する第2条第5項から第7項は、いずれも医療機器のみを対象として定められており、医薬品である体外診断用医薬品はここに含まれないためです。それでも承認・認証・届出の3ルートは医療機器と共通の条文群で処理され、どのルートになるかは品目ごとに決まります。

「クラスI〜III」はIVDでは条文上の区分ではありません

体外診断用医薬品についても実務では「クラスI」「クラスII」「クラスIII」という呼び方が使われますが、これはリスク分類の考え方に由来する慣用であって、薬機法上の区分ではありません。医療機器なら「一般医療機器=クラスI」のように定義条文と対応させられますが、体外診断用医薬品には対応先となる定義条文がありません。そのため、クラス番号から申請ルートを機械的に導くことはできません

リスク分類は一般的名称ごとに定められます

体外診断用医薬品のリスク分類は、品目ごとに割り当てられる一般的名称に紐づいて定められています。一般的名称、定義、クラス分類、分類コード等の実体を示しているのは、局長通知「体外診断用医薬品の一般的名称について」(平成17年4月1日付け薬食発第0401031号)です。同通知は「それぞれ一般的名称を定め、その一般的名称ごとにリスク分類を定めることとしており」という考え方を前提に置いています。

ただし、この局長通知は「体外診断用医薬品の一般的名称の改正等について」という同名の改正通知によって随時更新されており、新たな品目の承認等に伴って一般的名称が追加・変更されます(令和3年10月21日 薬生発1021第10号、令和5年6月30日 薬生発0630第3号、令和6年11月8日 医薬発1108第4号ほか)。特定の改正通知だけを見ても現在の一覧にはなりません。

したがって実務の出発点は、自社製品に該当する一般的名称の特定です。一覧と検索は、PMDAの「体外診断用医薬品の一般的名称」のページで最新版を確認してください。

3ルートの根拠は条文で確定できます

申請ルートの建て付けは、薬機法の3つの条文で確定します。承認を原則としたうえで、認証と届出が例外として切り出されている構造です。

ルート

条文上の対象

根拠条文

審査主体

承認

体外診断用医薬品(①厚生労働大臣が基準を定めて指定するもの及び②第23条の2の23第1項の規定により指定するものを除く)

第23条の2の5第1項

厚生労働大臣(申請は原則として機構を経由。一部変更承認の申請も同様。同条第15項)

認証

第23条の2の23第1項の規定により厚生労働大臣が基準を定めて指定する体外診断用医薬品(=上の②。指定高度管理医療機器等に含まれる)

第23条の2の23第1項

登録認証機関

届出

第23条の2の5第1項・第23条の2の23第1項に規定する医療機器及び体外診断用医薬品以外のもの(=上の①)

第23条の2の12第1項

審査なし(製造販売をしようとするときに、あらかじめ品目ごとに、厚生労働省令で定めるところにより厚生労働大臣へ届出)

表の承認の行にある2つの除外は、名前は似ていますが別々の指定です。①「厚生労働大臣が基準を定めて指定する体外診断用医薬品」は第23条の2の5第1項が独自に置いている除外で、この指定を受けた品目が届出ルートに乗ります。第23条の2の12第1項が、届出の対象を「第23条の2の5第1項又は第23条の2の23第1項に規定する医療機器及び体外診断用医薬品以外」と、残りの品目として定めているためです。これに対して②「同項(=第23条の2の23第1項)の規定により指定するもの」が認証ルートです。

したがって、①②のどちらの指定も受けていない体外診断用医薬品は、原則として承認になります。「指定がなければ届出で済む」という読み方は逆で、届出になるのは①の指定を受けた品目のほうです。

どの品目がどのルートになるかは厚生労働大臣の指定によって決まります。自社製品の一般的名称について認証基準が定められているかどうかは、PMDAの「医療機器基準等情報提供ホームページ」に掲載されている体外診断用医薬品の認証基準の一覧で確認できます。指定の内容は改正されるため、必ず最新の告示・通知で確認してください。

承認では、その品目が政令で定めるものであるときに、承認を受けようとするとき及び承認取得後5年ごとに厚生労働大臣の書面又は実地の調査を受けなければならないとされています(第23条の2の5第6項)。対象となる品目の範囲は同法施行令第37条の20が、5年という調査の間隔は同令第37条の21が定めています。

認証では、その認証に係る品目が政令で定めるものであるときに、認証を受けようとするとき及び認証取得後5年ごとに、同様の調査を登録認証機関から受けます(第23条の2の23第4項、同令第39条)。ただし、すでに基準適合証の交付を受けていて、その基準適合証に係る品目と同一の区分に属するなどの要件を満たす場合には、この調査を受けることを要しません(第23条の2の5第7項・第23条の2の23第5項)。届出はこれらの条文の対象ではないため、品目ごとの適合性調査という仕組みが付随しません。調査の進め方はQMS適合性調査の解説記事にまとめています。

なお、医療機器(非IVD)でクラス分類を判定し、認証基準の有無から届出・認証・承認を確定させる手順は、対象も判断材料も体外診断用医薬品とは別です。医療機器側は医療機器の認証・承認・届出の違いとクラス分類の判定を参照してください。

届出品目には設計開発の規定が適用されません

QMS省令第4条第1項は、法第23条の2の5第1項に規定する医療機器及び体外診断用医薬品並びに法第23条の2の23第1項に規定する指定高度管理医療機器等以外の医療機器等に係る製品について、第30条から第36条の2まで(設計開発)の規定を適用しないと定めています。つまり承認も認証も要しない届出品目については、設計開発の一連の要求事項が適用対象から外れます。

ただし、これは「何もしなくてよい」という意味ではありません。施行通知(令和3年3月26日 薬生監麻発0326第4号/令和7年1月31日 医薬監麻発0131第1号による一部改正)の「4.第4条(適用)関係」(1)は、適用しない場合には品質管理監督システム基準書に当該製品が設計開発の管理が必要な医療機器等ではない旨を記載しておくこととし、同(3)は適用しない条項と理由を基準書に明記することを求めています。この記載義務は条文にも直接の根拠があり、QMS省令第4条第3項が「前二項の規定のいずれかに該当する場合においては」品質管理監督システム基準書にその旨及びその理由を記載しなければならないと定め、記載する内容は第7条第1項第1号(品質管理監督システムの範囲。適用を除外する事項又は非適用とする事項がある場合においては、その詳細及びそれを正当とする理由を含む)が定めています。適用除外は「基準書に書いて初めて成立する」と考えてください。

「医薬品」であることが効く体制要件|許可の種類と薬剤師

体外診断用医薬品の製造販売業許可は、医療機器の第一種〜第三種とは別の「体外診断用医薬品製造販売業許可」という独立した許可種類です(薬機法第23条の2第1項の表)。そして総括製造販売責任者は原則として薬剤師、製造所には薬剤師である体外診断用医薬品製造管理者を置くことが求められます。ここが医療機器の前提のままでは通らない部分です。

許可の種類は医療機器と別枠です

薬機法第23条の2第1項の表は、高度管理医療機器に第一種、管理医療機器に第二種、一般医療機器に第三種の医療機器製造販売業許可を対応させたうえで、体外診断用医薬品には「体外診断用医薬品製造販売業許可」を対応させています。医療機器の許可については、第一種を受けた者は第二種・第三種を、第二種を受けた者は第三種を受けたものとみなされます(同法施行令第37条の6第1項・第2項)。このみなし規定に体外診断用医薬品製造販売業許可は含まれていません。医療機器の第一種を持っていても、体外診断用医薬品を製造販売するには別に許可が必要です。許可の申請書は、許可の権限に属する事務を行うこととされた都道府県知事に提出します(薬機法施行規則第114条の2第1項)。実務上の窓口は都道府県の薬務主管課です。製造販売業・製造業の基礎は製造販売業・製造業の解説記事で確認できます。

総括製造販売責任者は原則として薬剤師です

薬機法第23条の2の14第1項は、厚生労働省令で定めるところにより、医療機器の製造販売業者には「厚生労働省令で定める基準に該当する者」を、体外診断用医薬品の製造販売業者には薬剤師を置かなければならないと定めています。同項ただし書きには、その製造管理及び品質管理並びに製造販売後安全管理に関し薬剤師を必要としないものとして厚生労働省令で定める体外診断用医薬品についてのみ製造販売をする場合(第1号)や、薬剤師を置くことが著しく困難であると認められる場合その他の厚生労働省令で定める場合(第2号)に、厚生労働省令で定めるところにより、薬剤師以外の技術者をもって代えることができる例外が置かれています。

このうち中身を条文で追えるのは第2号です。施行規則第114条の49の2は、薬剤師を置くことが著しく困難であると認められる場合に、大学等で薬学又は化学に関する専門の課程を修了した者などをもって代えることができるとしています。ただし、技術者を置ける期間は総括製造販売責任者として技術者を置いた日から起算して5年とされ(同条第2項)、あわせて医療機器等総括製造販売責任者補佐薬剤師の設置等が求められます(施行規則第114条の54第6号)。恒久的に薬剤師なしで運用できる仕組みではありません。

参入時にもっとも詰まりやすいのがこの要件です。医療機器で総括製造販売責任者を務めてきた担当者がそのまま就任できるとは限らないため、人の手当ては許可申請のスケジュールと同時に検討する必要があります。

製造所には製造業の登録と体外診断用医薬品製造管理者が必要です

製造所側では、まず業の登録が要ります。業として体外診断用医薬品の製造(設計を含みます)をしようとする者は、製造所ごとに厚生労働大臣の登録を受けなければなりません(薬機法第23条の2の3第1項)。医薬品の製造業許可ではなく、医療機器と同じ製造業の登録の枠組みです。ただし登録は医療機器と体外診断用医薬品で別建てになっており、同条第2項は申請書に記載する責任者を医療機器責任技術者(第4号)と体外診断用医薬品製造管理者(第5号)に書き分けています。医療機器の製造業登録がそのまま体外診断用医薬品に及ぶわけではありません

登録の対象になる製造工程も、体外診断用医薬品について別に定められています(施行規則第114条の8)。承認・認証品目では設計、反応系に関与する成分の最終製品への充塡工程、国内における最終製品の保管が対象で、届出品目では充塡工程と国内における最終製品の保管が対象です(届出品目には「設計」が入っていません。QMS省令第4条第1項が届出品目に設計開発を適用しないこととも整合します)。登録の申請先は製造販売業許可と同じく都道府県知事で(施行規則第114条の9第1項)、登録は3年を下らない政令で定める期間ごとに更新が必要です(薬機法第23条の2の3第3項)。すでに医療機器の製造業登録がある製造所で体外診断用医薬品を製造する場合の具体的な手続(新規の登録か変更の届出か)は条文からは一意に定まらないため、都道府県の薬務主管課に確認してください。

置く人の要件も異なります。医療機器の製造業者は、厚生労働省令で定めるところにより、製造所ごとに責任技術者(医療機器責任技術者)を置きますが(薬機法第23条の2の14第5項)、体外診断用医薬品の製造業者は、自ら薬剤師であってその製造を実地に管理する場合のほか、製造所(設計その他の厚生労働省令で定める工程のみ行う製造所を除く)ごとに薬剤師を置かなければなりません(同条第10項)。この者が体外診断用医薬品製造管理者です(同条第11項)。第10項ただし書きにも、厚生労働省令で定めるところにより、薬剤師以外の技術者による代替が認められる場合が定められています。

医療機器と兼業する場合は許可・総括・GVPの前提が変わります

医療機器の製造販売業許可を持つ事業者が体外診断用医薬品を追加する場合、許可は2つになります。1つの事業者が複数種類の製造販売業許可を併有することは制度上想定されており、施行規則は、他の種類の製造販売業の許可を受けている場合にその許可の種類と許可番号を許可台帳の記載事項および変更の届出事項としています(施行規則第114条の7第7号・第114条の69第1項第6号)。

総括製造販売責任者は許可ごとに申請書と許可台帳に記載され(施行規則第114条の2第2項第3号・第114条の7第5号)、要件も許可の種類で分かれます。薬機法第23条の2の14第1項が医療機器と体外診断用医薬品について「それぞれ置かなければならない」と書き分けているためです。資格の面では、医療機器側の基準(施行規則第114条の49第1項第1号・第2項第1号)が「薬学に関する専門の課程を修了した者」を含むため、薬剤師は医療機器側の要件も満たし得ます。ただし同一人が2つの許可の総括製造販売責任者を兼任できるかを明示した規定は見当たらないため、配置は許可権者である都道府県の薬務主管課に確認してください。

GVPの種別は入れ替わるのではなく重なります。GVP省令は第二種・第三種を「製造販売する物」で定義しているため(同令第2条第9項・第10項)、一般医療機器と体外診断用医薬品を併せて製造販売する事業者は、第三種製造販売業者であり、かつ第二種製造販売業者でもあります。既存の第三種の手順を捨てて第二種に一本化されるのではなく、第二種として求められる範囲を上乗せする形になります。

業許可の時点でQMS省令の遵守体制が求められます

見落とされやすいのが、QMSの整備が品目の承認・認証より前に来るという点です。薬機法第23条の2の2第1項第1号は、申請に係る医療機器又は体外診断用医薬品の製造管理又は品質管理に係る業務を行う体制が厚生労働省令で定める基準に適合しないときは製造販売業許可を与えないことができると定めており、その基準がQMS体制省令(医療機器又は体外診断用医薬品の製造管理又は品質管理に係る業務を行う体制の基準に関する省令/平成26年厚生労働省令第94号)です。なお、同項第2号は申請に係る製造販売後安全管理の方法が厚生労働省令で定める基準に適合しないときを掲げており、GVPの体制も許可の基準です。QMS体制省令第2条第4項は「体外診断用医薬品製造販売業者」を定義し、第3条第1項は体外診断用医薬品製造販売業者を含む第一種医療機器製造販売業者等に対してQMS省令を遵守するために必要な組織の体制の整備を、第2項は医療機器等総括製造販売責任者と管理監督者の適切な配置を含む人員配置を求めています。「承認を取ってからQMSを整える」という順序は成立しません。

体外診断用医薬品のQMS構築実務|医療機器QMSからの差分

体外診断用医薬品のQMSは、QMS省令の第2章・第3章をそのまま適用して構築します。医療機器QMSとの差分は限られており、実務上効いてくるのは「医療機器のクラスI相当に用意されている緩和が使えない」という一点です。

「限定第三種」の緩和は体外診断用医薬品には使えません

QMS省令には、リスクの低い医療機器のみを扱う事業者向けの特則があります。「限定一般医療機器」は、QMS省令第5条の5第3項のただし書きで「一般医療機器のうち製造管理又は品質管理に注意を要するものとして厚生労働大臣が指定する医療機器以外の医療機器」と定義され、これのみを製造販売する事業者が「限定第三種医療機器製造販売業者」です(同令第5条の6第1項)。たとえば、外部委託した工程の管理の方法について受託事業者と合意した場合にその内容を品質に関する実施要領に定める義務は、限定一般医療機器に係る工程には及ばず(第5条の5第3項ただし書き)、品質管理監督システムにソフトウェアを使用する場合のバリデーション手順の文書化は限定第三種医療機器製造販売業者が対象から除かれています(第5条の6第1項)。こうした特則が複数の条項に置かれています。

条文上、限定一般医療機器は一般医療機器の内数として定義されています。一般医療機器は薬機法第2条第7項で「高度管理医療機器及び管理医療機器以外の医療機器であつて…厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定するもの」と定義されているため、医薬品である体外診断用医薬品はここに含まれません。つまり、届出だけで足りる体外診断用医薬品を扱う事業者であっても、限定第三種としての緩和を受けることはできないという読み方になります。届出品目について外れるのは設計開発(第30条〜第36条の2)だけで、文書管理・記録管理・是正処置・内部監査といった中核の要求事項はそのまま残ります。

なお、限定第三種医療機器製造販売業者は条文上「限定一般医療機器のみを製造販売する製造販売業者」と定義されているため(QMS省令第5条の6第1項)、限定一般医療機器だけを扱ってきた事業者が体外診断用医薬品を品目追加した場合に、この「のみ」の要件をどう扱うかという論点が生じます。判断の単位を明示した通知は確認できていないため、品目追加を計画する段階で、許可権者である都道府県の薬務主管課に確認してください。

この判断単位を明示した通知は確認できていないため、品目追加を計画する段階で、許可権者である都道府県の薬務主管課に確認してください。

医療機器のクラスI相当と体外診断用医薬品を並べて「うちは届出だけだから軽いはず」と見積もると、この差でずれます。

製造を外部委託しても製造側の要件は残ります

自社に製造所を持たず、製造を全量外部に委託する場合でも、製造側の要件が消えるわけではありません。委託先が施行規則第114条の8に定める製造工程を行うのであれば、委託先が製造業の登録を受けている必要があり(薬機法第23条の2の3第1項)、体外診断用医薬品製造管理者(薬剤師)を置く義務も委託先側にかかります(同法第23条の2の14第10項は「体外診断用医薬品の製造業者は」と定めています)。QMS省令は、この登録を受けた製造所を「登録製造所」と呼んでいます(同令第69条第1項)。放射性体外診断用医薬品に限った用語ではありません。

製造販売業者の側にも義務が残ります。外部委託した工程が受託事業者により管理されているようにすること、製品に関連するリスクと受託事業者の能力に応じた方法でその工程を管理すること(QMS省令第5条の5第1項・第2項)、管理の方法について受託事業者と合意した場合にその内容を品質に関する実施要領に定めること(同条第3項)。関係する施設及び登録製造所との間で必要かつ十分な事項について取り決め、これを文書化すること(同令第72条の2第1項)。登録製造所に対し、不具合等を知った場合に自社へ通知させるための手順を文書化させること(同令第69条第1項)。委託先である製造業者には、製造販売業者等が行う製造管理及び品質管理に協力する義務があるため(施行規則第114条の58第2項)、この協力を前提に取決めを組み立てることになります。

放射性体外診断用医薬品には第5章が上乗せされます

放射性医薬品たる体外診断用医薬品を扱う場合は、第2章・第3章に加えて第5章(第80条・第81条)が適用されます(QMS省令第3条第3項)。第80条第1項は登録製造所の業務運営基盤として、地崩れ及び浸水のおそれの少ない場所であること、作業所、貯蔵設備、廃棄設備、管理区域の境界という5つの要件を定めています。

ただし、この条には適用の範囲を絞る書き分けが3つあります。第一に、対象となる登録製造所からは設計のみを行う登録製造所が除かれます(第80条第1項)。第二に、容器又は被包の包装、表示又は保管のみを行う登録製造所については第2号ホ及び第4号ニ中の作業室に関する規定が、他の試験検査設備又は他の試験検査機関を利用して自己の責任において試験検査を行う場合であって支障がないと認められるときは同じく試験検査室に関する規定が、それぞれ要件から除かれます(同項の括弧書き)。第三に、厚生労働大臣が定める数量又は濃度以下の放射性物質のみを取り扱う場合には、第80条第3項により業務運営基盤の要件の多くが適用されません。

第81条は、前条に定めるもののほか、登録製造所が放射性医薬品の製造及び取扱規則の規定に基づき業務を行っていることの確認を求めています。該当する場合は、自社の登録製造所がどの除外に当たるかを先に確定させたうえで、通常のQMS文書体系に加えて施設要件を検討してください。

体外診断用医薬品のQMS立ち上げチェックリスト

①から順に確定させます。QMSの体制と文書は業許可の段階で求められるため(薬機法第23条の2の2第1項第1号・QMS体制省令)、③を品目の承認・認証の後に回す順序は成立しません。

① 該当性とルートを確定する

  • [ ] 自社製品が薬機法第2条第14項の定義に該当することを確認した(装置部分は医療機器として別に整理した)
  • [ ] 該当する一般的名称とリスク分類を特定した
  • [ ] 承認・認証・届出のどのルートになるかを条文に照らして確定した

② 業許可・製造業の登録と人を手当てする

  • [ ] 体外診断用医薬品製造販売業許可の要件として、QMS体制省令第3条の組織体制・人員配置を整備した
  • [ ] 総括製造販売責任者に薬剤師を置いた(または第23条の2の14第1項ただし書きの例外に該当することを確認した)
  • [ ] 製造所(自社・委託先とも)について、体外診断用医薬品の製造業の登録(薬機法第23条の2の3第1項)の要否と対象工程を確認した
  • [ ] 製造所ごとの体外診断用医薬品製造管理者(薬剤師)の配置を確認した
  • [ ] 製造を委託する場合、委託先の製造業の登録と体外診断用医薬品製造管理者の配置を確認し、関係する施設及び登録製造所との取決めを文書化した(QMS省令第72条の2第1項)
  • [ ] 医療機器と兼業する場合、許可・総括製造販売責任者の配置とGVPの種別の扱いを都道府県の薬務主管課に確認した

③ QMS文書体系と市販後の体制を整える

  • [ ] GQP省令ではなくQMS省令の体系で品質管理監督文書を整備した
  • [ ] 品質管理監督システム基準書に、適用しない条項とその理由を記載した(QMS省令第4条第3項・第7条第1項第1号)
  • [ ] 限定一般医療機器・限定第三種医療機器製造販売業者の特則を自社に当てはめていないことを確認した
  • [ ] 放射性体外診断用医薬品を扱う場合、第5章(第80条・第81条)の要件と、自社の登録製造所が適用除外に当たるかを確認した
  • [ ] GVP省令第3章および第14条が準用する各条(第二種製造販売業者)の安全確保業務の手順を整備した

このリストを見ると分かるように、体外診断用医薬品の立ち上げでは軽くなる部分がほとんどないまま、業許可の段階で文書体系を揃えておく必要があります。しかも総括製造販売責任者が薬剤師に限定されるため、少人数の兼務体制になりやすいのが実情です。文書の版管理・承認履歴・記録の紐付けを紙とファイルサーバーで回すと、最初の適合性調査で必要な記録を取り出せない状態になりがちです。電子QMS導入の解説記事で触れているように、医療機器QMSに特化したeQMSであれば版管理・承認履歴・監査証跡が標準機能として備わり、QMSmartのような製品は文書体系ごと立ち上げる土台としても検討できます。

なお、EU IVDRやFDAの規制など海外展開に関わる要件は本記事の範囲外です。海外規制の全体像は海外規制の解説記事にまとめています。

市販後の安全管理|体外診断用医薬品はGVP省令の第二種製造販売業者

体外診断用医薬品の製造販売業者は、GVP省令(医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の製造販売後安全管理の基準に関する省令/平成16年厚生労働省令第135号)上、「第二種製造販売業者」に位置づけられます(同令第2条第9項)。したがって適用されるのは、第二種製造販売業者の製造販売後安全管理の基準を定めた同令第3章です。ただし、第3章は第13条・第14条の2条しかありません。製造販売後安全管理業務手順書の作成、安全管理情報の収集、検討及び安全確保措置の立案、安全確保措置の実施、自己点検、教育訓練といった実体的な要求は、第14条が第3条、第5条から第10条まで(一部の項・号を除く)、第11条及び第12条を読み替えて準用することで及びます。読替えの例としては、第9条の3の「医療機器の安全性」が「医療機器又は体外診断用医薬品の安全性」と読み替えられます。また、記録の保存期間は第3章の外にある同令第16条(雑則)が定めています。

医療機器とは区分の決まり方が違います

GVP省令第2条第8項から第10項は、第一種を処方箋医薬品、高度管理医療機器又は再生医療等製品、第二種を処方箋医薬品以外の医薬品、管理医療機器又は体外診断用医薬品、第三種を医薬部外品、化粧品又は一般医療機器の製造販売業者と定義しています。医療機器はクラスに応じて第一種から第三種に分かれますが、体外診断用医薬品はリスク分類にかかわらず第二種です。GVPの中身は医療機器のGVPとは?で確認できます。

QMSとGVPの接続点を手順として決めておきます

QMS省令とGVP省令は別の省令ですが、接続点が条文に置かれています。QMS省令第70条は、製造販売業者等が製品に係る医療機器等の製造販売後安全管理に関する業務を行う場合においては、QMS省令の規定のほかGVP省令の規定に従わなければならないと定めています。また第55条の2第1項第4号(苦情処理)は、苦情の処理手順に法第68条の10第1項及び法第68条の11の規定に基づく報告の必要性の評価を含めることを求めており、QMSの苦情処理からGVP・不具合報告へ流れる導線が明示されています。

実務では、苦情の受付から報告の必要性の評価、安全確保措置、回収の判断までを一連の手順として設計し、どこまでがQMSの記録でどこからがGVPの記録かを決めておくと運用が安定します。役割分担の考え方はQMSとGVPの違いで整理しています。

よくある質問

体外診断用医薬品は医療機器ですか?

医療機器ではありません。薬機法第2条第14項で「医薬品」の一種として定義されています。ただし業許可・承認・認証・届出・品質管理は医療機器と共通の条文群(第23条の2以降)で規制されるため、実務上は医療機器に近い運用になります。

体外診断用医薬品にQMS省令は適用されますか?

適用されます。QMS省令の正式名称は「医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令」で、第2条第1項が「医療機器又は体外診断用医薬品(以下『医療機器等』という。)」と定義して体外診断用医薬品を含めています。読み替え規定ではなく、定義そのもので包含されている構造です。

体外診断用医薬品はGQP省令の対象ですか?

対象外です。GQP省令第2条第1項が「品質管理業務」の定義で「医薬品(体外診断用医薬品及び原薬たる医薬品を除く。以下同じ。)」と明文で除外しています。医薬品でありながら品質管理はQMS省令で行う、というのが体外診断用医薬品の位置づけです。

体外診断用医薬品のクラス分類はどこで決まりますか?

薬機法には体外診断用医薬品のクラス分類を定義する条文がありません(第2条第5項から第7項の高度管理・管理・一般医療機器は医療機器のみが対象です)。体外診断用医薬品は一般的名称ごとにリスク分類が定められており、その実体は局長通知「体外診断用医薬品の一般的名称について」(平成17年4月1日 薬食発第0401031号)に示されています。同通知は「体外診断用医薬品の一般的名称の改正等について」という改正通知で随時更新されるため、最新の一覧はPMDAのページで確認してください。

体外診断用医薬品の総括製造販売責任者は薬剤師でなければなりませんか?

原則として薬剤師です(薬機法第23条の2の14第1項)。医療機器の場合は「厚生労働省令で定める基準に該当する者」で足りるため、ここが参入時の大きな違いになります。同項ただし書きには、その製造管理及び品質管理並びに製造販売後安全管理に関し薬剤師を必要としないものとして厚生労働省令で定める体外診断用医薬品についてのみ製造販売をする場合など、厚生労働省令で定めるところにより薬剤師以外の技術者で代えられる例外が定められています。

届出だけの体外診断用医薬品なら、QMSは簡略化できますか?

設計開発(QMS省令第30条から第36条の2まで)は適用対象から外れますが(同令第4条第1項)、それ以外は簡略化されません。医療機器のクラスI相当に用意されている「限定一般医療機器」「限定第三種医療機器製造販売業者」の特則は、条文上いずれも一般医療機器の内数として定義されており、医薬品である体外診断用医薬品は含まれないと読めます。

体外診断用医薬品はGVP省令の対象ですか?

対象です。GVP省令第2条第9項で体外診断用医薬品の製造販売業者は「第二種製造販売業者」に位置づけられ、同令第3章が適用されます。医療機器がクラスに応じて第一種から第三種に分かれるのに対し、体外診断用医薬品はリスク分類にかかわらず第二種です。ただし第3章は第13条・第14条の2条だけで、製造販売後安全管理業務手順書の作成や安全管理情報の収集といった実体的な要求は、第14条が第3条、第5条から第10条まで(一部の項・号を除く)、第11条及び第12条を読み替えて準用することで及びます。記録の保存期間は同令第16条が定めています。

まとめ|IVDのQMSは「医療機器と同じ省令、違う体制」で設計する

  • 体外診断用医薬品は薬機法第2条第14項で「医薬品」として定義されますが、品質管理はQMS省令で行います。GQP省令は第2条第1項で明文除外されています
  • QMS省令は読み替え規定ではなく、第2条第1項の定義で体外診断用医薬品を包含しています。IVD専用条文は放射性体外診断用医薬品の第5章(第80条・第81条)だけです
  • 薬機法に体外診断用医薬品のクラス分類の定義条文はありません。リスク分類は一般的名称ごとに定められ、承認・認証・届出は第23条の2の5第1項・第23条の2の23第1項・第23条の2の12第1項で切り分けられます
  • 体制は医療機器と別物です。体外診断用医薬品製造販売業許可という独立した許可種類で、総括製造販売責任者は原則薬剤師、製造所には体外診断用医薬品製造管理者(薬剤師)を置きます
  • 医療機器のクラスI相当に用意されている「限定第三種」の緩和は、条文上、体外診断用医薬品には及ばないと読めます。届出品目でも軽くなるのは設計開発だけです

体外診断用医薬品の立ち上げでは、業許可の段階からQMS省令の遵守体制が求められ(QMS体制省令第3条)、しかも緩和がほとんど使えません。文書体系と記録を最初から電子で立ち上げておくと、初回の適合性調査でも定期の調査でも同じ運用をそのまま使えます。

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